YOUKIAya
2015年08月01日
03:20
こんばんは、結城です。
今回ご紹介するのは、怪奇幻想探偵小説の代表的な一作『ドグラ・マグラ』でございます^^
■ドグラ・マグラ/夢野久作
書 名/ドグラ・マグラ
著者名/夢野久作
出版元/角川書店
判 型/文庫判
定 価/上・300円、下・340円
シリーズ名/角川文庫(上/緑366-3、下/緑366-4)
初版発行日/上下共・昭和51年10月10日
収録作品/ドグラ・マグラ、解説・なだいなだ(下巻)
『ドグラ・マグラ』は夢野久作の代表作にして、奇書として知られる作品。ミステリージャンルに分類されるものの、あまりに奇抜な内容のため理解不能とまで言われたりもした。
角川文庫のから刊行された上下二巻の本書と前後して、現代教養文庫から全一巻、講談社文庫からは上中下の三巻本として文庫化され、その後ちくま文庫判の「夢野久作全集」に収められる形で全一巻としても刊行されている。また、単行本は、オリジナルのほか、三一書房の「夢野久作全集」やオリジナル単行本の復刻版などがある。
同じ作品でもこのようにさまざまな版が存在するわけだが、個人的に角川文庫版が好きだ。というのも米倉斉加年による表紙イラストが素晴らしいということに尽きる。角川文庫版の夢野久作の作品は当初すべて米倉斉加年のイラストで表紙が飾られていたのだが…。
当の小説だが、実を言うと上巻の途中で二度ほど挫折してしまった。「キチガイ地獄外道祭文」という章だ。
しばらく時間をおいて三度目の正直、と読んだときにはそこもクリアし、それどころか講談社文庫版、ちくま文庫版と計三回読んでいる。ちなみに講談社文庫版の初版は数カ所誤植がある。
また本作は映画化もされている。夢野作品としては『少女地獄』『瓶詰の地獄』などが映画化されているが、この『ドグラ・マグラ』は映像化不可能とも言われていた。が、正木博士を桂 枝雀が演じた映画版は複雑な原作の内容を割と整理して分かりやすく仕上げてある印象だ。