QRコード
QRCODE
アクセスカウンタ

  

Posted by at

2015年07月18日

蜘蛛の館/山田智彦

 こんばんは、結城です。



 また古い本の紹介になってしまいますが…わたしの大好きな一冊です。



■蜘蛛の館/山田智彦

書 名/蜘蛛の館
著者名/山田智彦
出版元/角川書店
判 型/文庫判
定 価/300円
シリーズ名/角川文庫(角川文庫 3692)
初版発行日/昭和51年7月30日
収録作品/最後の夏、芍薬、蜘蛛の館、遠い棲家で、伊吹山頂

 著者の山田智彦は昭和11年生まれで、大学卒業後10年間銀行員として勤務した後、作家デビューしていて、得意とするジャンルは経済小説だったと記憶する。が、本書『蜘蛛の館』は帯にもあるように恐怖小説集である。
 もっとも恐怖小説というよりは、幻想小説に近い印象を受ける。
 本書に収録された作品の内、最初に掲載されている『最後の夏』が好きだ。この短編だけは何度も読み返している。
 自分の死期に気づいてしまった男が主人公なのだが、それはあくまでも直感であり、周囲の人間に理解されるものではない。だが主人公には確信があって、近づいてくる死を前にしてさまざまな行動をとっていく。今風にいえば終活というやつだろう。具体的にどこがということではないのだが、自分の死生観がこの作品に少なからず影響を受けている気がする。
  


Posted by YOUKIAya at 01:05Comments(0)

2015年07月17日

ARCADIA+α Open

こんばんはぁ じゅんです。


先日、お客様のご要望によりVIPルームができました。
とってもラブラブなスウィートなお部屋になってます(*´ェ`*)

VIPルームができ、より接客スタイルも本店とより近くなるため、
チャージ料の100L$が発生いたします。

詳しくはこちらをご覧ください。
http://arcadia.slmame.com/c94397.html


右のロゴからTP もしくはスリンクでお越しくださいね。



★★★★★★★★出勤スタッフ★★★★★★★★★★★★★

結城



じゅん
  


Posted by Jun. at 21:49Comments(0)✩ARCADIA+α

2015年07月17日

幻獣辞典(河出文庫版)/ホルヘ・ルイス・ボルヘス

 こんばんは、結城です。



 ずっと古い本を紹介してきましたが、今回は最近刊行された文庫本のご紹介です^^



■幻獣辞典(河出文庫版)/ホルヘ・ルイス・ボルヘス

書 名/幻獣辞典
著者名/ホルヘ・ルイス・ボルヘス
出版元/河出書房新社
判 型/文庫判
定 価/1100円(税別)
シリーズ名/河出文庫(ホ5-1)
初版発行日/2015年5月20日
収録作品/幻獣辞典

 本書は1974年に四六版変形の四角いハードカバー本として晶文社から刊行されたのが日本における最初のもので、以後98年、2013年に新装版が刊行され、今回の文庫判が4度目の刊行となる。74年の最初の版が息の長いもので、わたしがこの本を知った80年代にも新刊書店の棚には並んでいた。
 今回の文庫化にあたり訳者の柳瀬尚紀氏も一通り見直したようだが大きな変更点はなく、元版をそのまま文庫化したと思っていいようだ。ただし、取り上げられている幻獣の掲載順は入れ代わっている。元版では最初に掲載されているのが「ア・バオ・ア・クゥ」だったが、文庫判では2項目目になっている。「ア・バオ・ア・クゥ」は勝利の塔の螺旋階段に住むとされる生き物で、『機動戦士ガンダム』でジオン軍の最終兵器の名称としても使われたもの。本書を読むと冨野監督がこの名称を使用した理由がなんとなくわかるかもしれない。
 ボルヘスはその人自体が巨大な図書館と評される読書量と記憶の持ち主で、本書も古今東西の文献から集められた幻獣の宝庫といっていい。ユニコーンやセイレーンといったよく知られたものから、本書よって多くの人が初めて知るようなものまで数多くの幻獣たちが紹介されている。図版はそれほど多くないが、文章のイメージを補完する形でいくつかの幻獣が掲載されている。
 本文庫判の帯には「最良の異世界案内本」とあるが、幻獣について知るだけではなく、その幻獣が登場する作品にも、本書を読むことで興味がわくことだろう。その意味で、本書は幻想文学の入り口となりうる本なのだ。ひとつひとつの項目はそれほど長くはない。本書を手に取って気まぐれにページを開いてサラッと読むという楽しみ方もオススメだ。

 ところで、この『幻獣辞典』が文庫化されたことには、正直驚いた。「え、これが文庫に?」というこの感覚は、たぶん渋澤龍彦の著作が河出文庫から刊行されたときに、当時の読者が感じたものに似ているのではないかと思う。本好きには、これはハードカバーや函入りの本であって、文庫にはして欲しくないというイメージの強いものがあったりする。本書も個人的にはそのひとつだったということを、この文庫化で知った。
  


Posted by YOUKIAya at 19:28Comments(0)

2015年07月17日

錬金術/吉田光邦

 こんにちは、結城です。



 ピース又吉さんが『火花』で芥川賞を受賞されたようですね。たいていの場合受賞してから作家や作品のことを知るのですが、今回のように候補にあがる前から広く知られていることは稀といってもいいでしょうね。
 なにはともあれ、このことで読書離れや出版不況が少しでも解消されたら、と願うばかりです^^
 又吉さんお薦めの本というフェアも開催されていますし、みなさん、少し活字の本も読んでみてはいかがでしょうか?^^

 ということで今回はちょっと古いものですが、なかなか興味深い本のご紹介です。



■錬金術/吉田光邦

書 名/錬金術~仙術と科学の間
著者名/吉田光邦
出版元/中央公論社
判 型/新書判
定 価/200円
シリーズ名/中公新書(中公新書9)
初版発行日/昭和38年3月5日
収録作品/はじめに、仙術と哲学の混沌・中国、魔術から科学へ・西洋、日本の練金・練丹術

 錬金術…というと中世ヨーロッパのものというのが一般的なイメージだろう。本書でももちろんその辺りについて述べられているのだが、副題に「仙術と科学の間」とあるように中国における錬金術=仙術から話が進められていく。錬金術といえば、やはりパラケルススや薔薇十字団といった名称が浮かんでくるので、中国の仙術から話が始まることには多少の戸惑いもあったが、読み進めていくと、なるほど、と納得してしまう。またヨーロッパにおける錬金術にしても、いきなり中世ヨーロッパに関して語るのではなく、古代ギリシアに逆上って錬金術という概念の発祥から考察されるので、より錬金術というものについて理解が深まるといっていい。そういう意味では中世ヨーロッパの錬金術のみを扱った書籍に較べ、錬金術というものを俯瞰して捉えることのできる本であると言うことはできるだろう。
 また錬金術をホムンクルスといった人造生命体を筆頭にオカルト的な観点から見ることも多いと思うが、本書においては物質を変換させるという科学的な視点を中心において論じていることも付け加えておこう。
  


Posted by YOUKIAya at 10:08Comments(0)

2015年07月16日

神話学入門/大林太良

 こんばんは、結城です。



 しばらく樹村みのりの漫画作品を紹介してきましたが、今回はまた活字の本をご紹介します^^



■神話学入門/大林太良

書名/神話学入門
著者/大林太良
出版元/中央公論社
シリーズ名/中公新書(中公新書96)
初版発行日/昭和41年3月25日

「神話学」、この言葉を御存知だろうか? 正直本書を手にするまで神話学というものがあるとは知らなかった。序文によれば戦前からある学問のようなのだが、まあ、本書を読んでいただければ民俗学や文化人類学に近いものであることがわかるだろう。
 神話、と一口に言ってもさまざまなものがある。世界各地にある創世神話もそうであるし、ギリシア神話、北欧神話といったものがよく知られているものだと思うが、著者の大林は「そうしたものだけが神話ではない」と、少数民族に伝わる神話を紹介してもいる。
 本書では東西の神話を比較分類してみたり、意外な共通点を指摘したりしながら、漠然とした「神話」というものを民族や文化の歴史を知る手がかりとしている。
 神話とはなにか、というところから入り、まずは神話を分類し、宇宙の起源、人類の起源、文化の起源といったジャンルで世界各地の神話を解読していく。
 本書の最後で大林は、世界的には神話の研究は古く、特に1930年代以降はめざましい進展があったと言ったあとで、日本国内ではまだまだこれからという段階だと語っている。本書の刊行された昭和41年当時から「神話学」という分野がどのように発展したか詳しくはわからないが、民俗学や文化人類学といったジャンルに含められてしまったのではないかと言う気がする。神話学という言葉がポピュラーではないことがそう推察する理由ではあるのだが、いかがだろうか。
 そんなことも踏まえつつ、本書を読んでみると「神話」に対するとらえ方も変ってくるのではないかと思う。古書店などで見かけた際には手に取ってみてほしい。
  


Posted by YOUKIAya at 22:20Comments(0)